ページの一部を簡単に更新できる超シンプルなCMS

  • ページの一部分をクライアントや非制作部門の担当が更新できるようにしたい
  • そのページは静的HTML(ユーザーや時間によって変化する動的コンテンツは無い)
  • 承認ワークフローも不要、すぐに変更が反映されてもいい

という場合に便利なのが、CushyCMSです。英語のサービスですが、UTF-8のページなら日本語も問題ありません。

CushyCMSの仕組み

「FTPつきオンラインHTMLエディタ」のようなもの

CushyCMSは、通常のCMSとは異なり、ページやコンテンツを管理しません。更新したいページを指定すると、その場でWebサーバーからFTPでHTMLファイルを取得し、コンテンツを入力するフォームを生成して表示します。書き換えて送信ボタンをクリックすると、その内容が反映されたHTMLファイルがアップロードされるのです。最新のマスターは常に本番Webサーバー上に存在します。

コンテンツ更新の流れ

更新者の視点で流れを整理すると:

  1. CushyCMSのサイトにアクセスしログイン
  2. 更新したいサイトのページを選択
  3. (最新HTMLファイルがWebサーバーからダウンロードされ、コンテンツが記入済みの入力フォームが表示される)
  4. 入力フォームに新しい内容を書き込んで送信
  5. (新しいHTMLファイルがWebサーバーにアップロードされる)

CushyCMSの設定方法

ユーザー登録

まずはCushyCMSのサイトでユーザー登録です。氏名、メールアドレス、新しいパスワードを入力して1クリックで完了、メール認証もありません。

通常は無料プランでも十分です。制作会社が自社ロゴを表示してクライアントにサービスをOEM提供したい場合は、有料プランを検討すると良いでしょう。

更新対象サイトを設定

次に、更新対象のサイトを設定します。Add SiteボタンをクリックするとFTP情報を入力するフォームが表示されるので、記入して送信します。

図:CushyCMSのサイト登録ボタン:

更新対象ページを選択

図:CushyCMSのページアサインボタン:FTP情報が正しければ、ファイルの一覧が表示されます。どのページをCushyCMSで更新させたいかを、ここで選択(アサイン)します。

  • Page Name:管理画面での表示名
  • File Path:ファイル名。下のファイル一覧でページをクリックすると、自動記入される

ここでアサインしたページは、ログイン後の管理画面(Control Panel)で表示されるようになります。

実際の更新を行う前に、HTMLの一部を書き換えておく必要があります。

HTML中の更新対象エリアを指定

テキストを更新させる場合

該当箇所にclass名を追加します。

code 7

HTMLとして入力させたい場合は、WYSIWYGエディタを有効にすると便利です。

code 8

編集画面では、Wordのようにスタイルを指定できる入力フォームが表示されます。

図:CushyCMSのWYSIWYGエディタ:

逆に、HTMLを入力させたくない場合は、テキスト形式であることを明示的に指定するclass名にします。
この場合、手でHTMLタグを入れても無効になります。見出しやタイトルなどに使えます。

code 9

画像を更新させる場合

画像も更新可能です。

code 10

図:CushyCMSのサイト登録ボタン:編集画面では、現状の画像とファイルアップロードボタンが表示されます。

  • アップロードした新しい画像は、「Publish」ボタンをクリックすると、imgタグのsrc属性が書き換えられたHTMLと一緒にWebサーバーに転送されます。
  • 画像の削除はできません。追加アップロードのみです。

編集ユーザーの追加

更新のみを許可できる編集用のユーザーを作成できます。ユーザーごとに、どのページを更新できるかを指定可能です。

CushyCMSを使ってページを更新する方法

更新のみを許可された編集ユーザーは、CushyCMSにログインすると、更新を許可されたページのみを選択できる画面が表示されます。ここでページ名をクリックすると、上記のような複数の入力フォームが表示されます。FTP接続が行われるので、少し時間がかかります。

入力フォームは、最新状態のテキストや画像が記入・選択された状態で表示されます。必要な個所を変更して「Publish」ボタンをクリックすると、新しいHTMLファイルがWebサーバーに転送されて公開完了です。

まとめ

というわけで、非常にシンプルなCMSです。テンプレートやワークフローなどの機能もありません。Webサーバー側の設定も一切不要、CMSというよりはWeb上で完結するオンラインHTMLエディタのようなものですね。デザイン的な制約も一切ありません。

この割り切りがカッコイイですね。ほとんど発想の転換です。ページの一部のみをビジネスユーザーに更新させたい場合に最適です。