コンセプトダイアグラムの描き方
地ビールECサイトのコンセプトダイアグラムを作りました。Ustream番組「IAチャンネル:自社サイト最適化講座」の中でプレゼンしたところ、整理された、分かりやすいと好評だったので、改めて紹介します。
コンセプトダイアグラムの描き方
まずは、地ビールの販売というビジネスモデルの特性を把握しつつ、その中でのECサイトの位置付けを整理しました。
地ビール販売の特徴
- ジャンルもブランドもあまり認知されていない
- 買えるお店、飲めるお店が少ない
- 全てエールビールというこだわり(日本のビールのほとんどはラガービール)
- ユニークで高価なため、ギフトに適している
- どのネットショップで買っても、送料がかかるため、近くにあるなら店舗もおすすめ
- セットの組み合わせはネットショップによって異なる
サイトを訪問するきっかけは3種類
- メディアでブランドを知った状態で指名訪問
- 地ビール、ギフトビール、スイーツビールを検索して訪問し認知
- お店で飲んだ経験があり、また買いたくなって訪問
ユーザーの行動や心理はどう変化するのか、ビジネスにとってどのような意味があるのか、誰にどうなって欲しいのかを考え、機能とコンテンツをマッピングしていきました。
ビールは飲んでもらう必要がある。ただし、大手のビールではないので、近所のスーパーやバーにはありません。飲むためには、取り扱い店を探して出かけるか、通販で買う必要があります。
取り扱い店舗は数が少なく、近くにあることは稀なので、通販がメインになります。ただし、公式のネットショップは、歴史的な経緯で2つあります。その違いを、サイト上で明確に説明する必要があります。
飲むという手段を分けて強調したのは、酵母が生きた新鮮な生のエールビールは、贅沢な嗜好品としての楽しみ方があるためです。ビンよりも樽の方が美味しい、サーバーで入れると泡が違う、グラスにもこだわりがある、温度や鮮度も重要。自宅では不可能な楽しみ方があるそうです。
手段を問わず飲んでもらった後は、ファンになって、継続的に飲んでもらいたい。そのために、実はこんな商品や楽しみ方もある、と伝えることも必要です。
...というようなサイトのあるべき姿が明確になるように描きました。
最初からいろいろ盛り込むと複雑になるので、ユーザー行動をモデル化してから、次にWebサイトが持つべき機能・コンテンツをマッピングしていきました。
表現の留意点
図で表す場合は、文字だけで表す場合と比べて、情報量が増えます。
- 位置(縦・横)
- 大きさ
- 色
- フォント
- 形
- アイコン
それぞれに意味を持たせて表現する必要があります。ただし、分かりやすさが第一なので、一貫性や正確性はほどほどにするというバランスも重要です。
何を伝えたいのか?
コンセプトダイアグラムは、コンセプトの図解です。実際の構成を客観的に淡々とマッピングするのではなく、コンセプトを伝えるための図解というコミュニケーション手段なのです。そのため、何を明確にしたいのかを、描く前、または描きながら明確にしていきます。