海外ノマドからパラレルキャリアへ

2015年01月14日 00:10

いつのまにか2015年になりました。思い切って渡米したのは2011年。新しい環境で働き、生活するという経験から学んだことをベースに、変化を起こしたのが2014年でした。自分の中ではこの3年間が節目であり、「1月1日」や「365日」という自分とは関係無い時間軸には左右されたくない!!

という理由で新年の挨拶や振り返り系の記事は書かないようにしているのですが、よく「最近どこで何しているのか分かりにくい」と言われるので、近況を報告します。

1. 拠点をUS / Canadaから日本へ

ユタとバンクーバー、日本を拠点とした海外ノマドを続けてました。5時まで仕事し、週末はスキーや登山、キャンプ、マウンテンバイク、とアウトドアを楽しみ、同僚と旅行したりパーティに誘ってもらったり、と充実した楽しい生活でしたが、自分が家族から離れて一人なことが浮き彫りになりました。当時小学5年生だっが息子もメッセンジャーで「おーい」と話しかけてくれたり、時間を合わせてオンライン将棋やマインクラフトで遊んだり。デジタルキッズに育ちつつある子どもとの時間を増やすため、2014年春に任務を終えて帰国しました。

とはいえ、生活物資はユタの倉庫に入れてあるので、年に数回、気軽に戻ってます。

日本では、都内に事務所を借りました。東銀座と広尾でもデスクを借りてます。

場所や国、会社という壁を越えてマルチ拠点を流動的に動き回ってます。

2. 所属先を会社から家族へ

日本では会社に対する所属意識が強いですが、仕事をプロジェクトと捉え、ゴールを達成したら次に移るという自分のスタイルはアメリカで通用しました。余計なことを排除して集中できるので、思う存分活動でき、生産性も満足度もMAXレベルで、このまま移住しようかと迷うほど。

もう日本のサラリーマンには戻れないので、帰国して会社を設立しました。

事業内容は、

  • ママのお菓子教室
  • 息子のソフトウェア開発
  • パパのコンサルティング

所属できるのは家族だけ、という文字通りのファミリー企業

自分が所属するのは、この家族で構成される会社のみで、他人が作った他の会社とは双方の合意で一時的に契約するだけ。

と考えると、依存してムリにしがみついたり、実力より政治に強くなったり、「分かってくれる」「守ってくれる」と過大に期待してガッカリすることもなくなります。正規雇用にこだわる必要もなし。任務遂行にベストな契約形態を柔軟に考えられるようになりました。

3. 電通レイザーフィッシュにコミット

社外フェローとしてお手伝いしていた電通レイザーフィッシュのCAO (Chief Analytics Officer)に就任し、週に2日通っています。社外からアドバイスや手伝いをするという中途半端なスタンスではなく、中から変革を推し進めるためです。売上を大幅に伸ばすという中長期経営計画を達成することにコミットしているので、アナリティクスだけでなく、業務内容や提供価値、組織の見直し、自社ブランディングなど幅広く関わっています。

また、自分が一番弱い広告関連の知識・経験を増やしたい、キャンペーン系Webにおけるデータ活用を促進したい、という狙いもあります。

4. Adobeのフェードアウト終了

帰国後はAdobeを辞めて直ぐに独立する予定でしたが、日本側の組織を支援してほしいという依頼を受け、半年だけの契約をしていました。そして週に4日、3日、2日、1日、半日、と徐々に時間を減らしていき、2014年11月末で予定通り契約満了。自分の会社での活動(書籍執筆や研究活動、セミナー開催、各種プロジェクト支援など)にシフトしていきました。

図解するとこんな感じ。6月からパラレル化しています。

ただし、Adobe Analytics関連のヘルプやUIのレビューは続けたいので、USが契約している翻訳ベンダーと契約しました。翻訳はサービスの価値に直結するので3年間、力を入れてきましたが、引き継ぎができなかったためです。外に出た自分が引き受けるという裏技の自作自演(?)。さっそくData Workbenchのヘルプの日本語化に取り組んでいます。

5. 脱Webアナリティクス

Web解析(アクセス解析)はもう普及してコモディティ化したので、開拓好きな自分としては興味が薄れました。Web解析だけの記事も、ほとんど書いてません。その代わり、広告やUXのような他領域との融合や展開(例えばコンセプトダイアグラムやデータビジュアライゼーション)を模索しています。

ただし、Adobe Analytics (SiteCatalyst) については、USで企画・開発に直接関わることで名実ともに一番詳しくなったので、ブログ(実践★SiteCatalyst)の更新やユーザー会のサポートは続けています。さらに、新しいWikiも立ち上げ準備中です。

常に変化し続けたい

2014年に起こした変化や初めての挑戦をまとめると

<仕事>
  • 初めて会社を作った
  • 初めて一つの会社に勤めるのを辞めた
  • 初めて広告業界に入った
  • アクセス解析の寄稿記事を書かなかった
  • Adobeとの契約を満了した
<生活>
  • 初めてアメリカで免許取得して車を買った
  • 初めてメキシコに行った
  • 初めてマリンスポーツを始めた
  • 帰国した
  • 平日用のセカンドアパートを借りた
  • iPhoneをやめてAndroidにした
  • eギター演奏を再開した

「元楽天の」「元Adobeの」「アクセス解析で有名な」「SiteCatalystの達人」といったレッテルや評価に甘えないで(むしろそういう評価は破壊したい)、常に変化し続けていきたいものです。

今後の活動

週3日は柔軟に動けます。

コンサルティングの単価は時間あたり2万5千円ですが、自分が賛同するサービスや組織や人を応援する場合は利益度外視です。

社外からお手伝いするよりも、組織の中に入って内側からじわじわと改善や変革を進めるのが好きです。

3月か4月に「ビジュアルWeb解析」という本を出し、そのセミナーやワークショップに力を入れます。

 その第一弾はこちら:手法論で終わらない実践型グロースハック「UX/ビジュアルウェブ解析講座」 (2/21, 2/28, 3/7, 3/14の全4回シリーズ)

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やはり分かりにくいですね(笑)

とはいえ、ご相談はお気軽にどうぞ。