DITAのハッコス氏と語る:DITA対応のWeb CMSって?
2009年08月31日 22:58
DESIGN IT! Forum 2009初日の夜、JoAnn Hackosさんやスピーカーの方々とDinnerに行きました。Hackosさんのテーブルでいろいろ話すことができたので、メモしておきます。
- 【清水】
- Webの成長がCMSを後押ししたという人もいるけどどう思う?
- 【ハッコス氏】
- CMSはWebが存在する前から存在していた。
- 【清水】
- ですよね。Web CMSとコンポーネントCMSはまるで別物。そもそもDITAに対応したWeb CMSってあるんですか?
- 【ハッコス氏】
- ほとんどど無い。知っているのは、名前を覚えていないけどシアトルの小さな会社のCMSのみ。
- 【清水】
- なんだろう。それはGartnerのMagic QuadrantにのっているCMS?(とiPhoneで見せて)
- 【ハッコス氏】
- のっていない。昨年CMS Watchで取り上げられていたので、話を聞きに行った。Web CMSベンダーはDITAを知っているだけでもめずらしい。
- 【清水】
- DITAに未対応でもコンポーネントCMSとして良いのは?
- 【ハッコス氏】
- SitecoreとEktronが良かった。
- 【清水】
- SDL TridionはDITAに対応してもよいのでは?(とSDL社のVPクライブ氏にふる)
- 【クライブ氏】
- TrisoftはDITAに対応しているけど、Tridionは未対応だ。
- 【清水】
- (多言語に強くXMLベースの)Tridionなら実装は簡単ですよね?
- 【クライブ氏】
- アーキテクチャは同じだから簡単だけど、他にいろいろやるべきことがあるんだ。
解説
- コンテンツの構造化とは、単にWebページ上のコンテンツを細かい項目に分割するということではなく、ページから独立し単体で成立するトピック的な単位にコンテンツを分割し、トピック間の関係性を明確にすること
- コンテンツの構造化やそのシステム的管理(CMS)は、もともとトピックベースだったマニュアルの分野で発達し、Webよりも長い歴史を持つ
- 近年のWebの発展で発達したのは、WebサイトやWebページを管理するWeb CMS (WCM)であって、構造化コンテンツを管理するコンポーネントCMSや構造化オーサリング(Structured Authoring)ではない
このように、Webにおける「CMS」とテクニカルコミュニケーションにおける「CMS」はまるで別物なのですが、Forumを通してそれが時々混同されて使われたり解釈されたりしていたようです。「CMS」では広すぎるので、Web CMS、コンポーネントCMS、ドキュメント管理、と限定的な名称を使ったほうがいいのでは?
ちなみに、CMS Watchのレポートは下記のように細分化されています。
- Digital Asset Management
- ECM (Enterprise Content Management)
- E-mail Archiving & Management
- Enterprise Portal
- Search & Information Access
- SharePoint
- Social Software
- Web Analytics
- Web CMS