iPhoneとiPad用VNCアプリ17種類まとめ

2013年09月01日 23:50

iPhoneとiPad用リモートデスクトップアプリ13種類まとめ」の記事では、ソフトをインストールしないでWindowsをリモートで操作できるiPhone/iPod Touch/iPadアプリについて評価しました。このRDP方式は手軽な反面、家庭では一般的なWindows Homeエディションでは利用できない、社外または自宅外からアクセスするためのネットワーク設定が難しい、という問題がありました。

そこで今回は、自宅のWindows HomeエディションやMacにも外出先から手軽にアクセスできるアプリ17種類についてまとめました。VNC方式と独自方式があります。

WindowsのRemote Desktop (RDP)と比べると

  • PC側に常駐ソフト(VNCサーバーなど)のインストールが必要(MacOS Xは不要)
  • Windows HomeやMac、Linuxを含め、幅広いOSに対応
  • サウンドは再生できない

という特徴があります。テレワーク(自宅勤務)など、遠隔地にあるマシンをインターネットや3G経由で操作する場合には、ページ下部にある独自方式のものが便利です。

VNC方式

PC Access (85円) PC Access

iPad専用。基本機能のみ。2010年11月からアップデートされていない放置アプリ。

対応デバイス iPad
マウス操作 2フィンガーでスクロールと右クリック
キーボード 特殊キーはEsc, Tab, Alt, Ctrl, Cursor, F1-12, Home, End, Page Up/Down, Option, Cmd
リモートコピー 対応
接続支援ソフト なし

Remoter VNC: Remote Desktop (170円)Remoter

リモコンとしてのアプリのように聞こえるが、実はVNCクライアント。右クリック、ドラッグ、マウスホイールなど、操作性にこだわりが感じられる。キーボードはUSレイアウトのみ対応らしい。アプリ内課金で、RDPやSSHクライアントの機能を追加できる。

対応デバイス iPhone/iPad(ユニバーサル)
マウス操作 長押しで右クリック(ボタンもある)、スライドでホイール
キーボード 特殊キーはEsc, Tab, Alt, Ctrl, Cmd, Up, Down, Ctrl+Alt+Deleteに対応。外部キーボードに対応。
リモートコピー 未対応
接続支援ソフト なし

Mocha VNC Lite (無料) Mocha VNC Lite

昔はメジャーだったが、最近は失速気味のアプリ。有料版のお試しとして明確に位置付けられるようになったため、特殊キーや右クリック、マウスホイール機能が無効化されていて、実用的ではない。

対応デバイス iPhone/iPad(ユニバーサル)
マウス操作 右クリックやホイールが無効化されている
キーボード 特殊キーは無効化されている
リモートコピー 未対応
接続支援ソフト なし

Mocha VNC (500円) Mocha VNC

無料版のLiteで試せる。マウスの細かい操作がしにくいという声も。他のアプリが充実してきた今では見劣りし、割高感がある。

対応デバイス iPhone/iPad(ユニバーサル)
マウス操作 右クリック対応
キーボード 特殊キーはEsc, Tab, Alt, Ctrl, Windows, Cursor, F1-12, Option, Appleキーに対応
リモートコピー 未対応
接続支援ソフト なし

Connect Desktop (450円) Connect Desktop

基本機能を備えたマイナーなアプリ。トラックパッドモードにすると、タッチではなくマウス操作ができるが、使いやすいかは好みによる。ホイール操作も可能。「接続するコンピュータ」って名前までヘンな翻訳しなくても...

対応デバイス iPhone/iPad(ユニバーサル)
マウス操作 トラックパッドモード、右クリック、ホイール対応
キーボード 特殊キーはEsc, Tab, Alt, Ctrl, Delete, Home, End, Cursor, F1-12, Option, Cmdキーに対応
リモートコピー 未対応
接続支援ソフト なし

VNC Pocket Office (600円) VNC Pocket Office Pro / VNC Pocket Office Pro (700円) VNC Pocket Office Pro

ハイブリッドではないのでiPhone用とiPad用(Pro)に分かれている。画面の縮小マップや部分拡大、タッチジェスチャー、ホイールなど、機能が充実していてパフォーマンスも良いという売り込みだが、USでもユーザーが少ないマイナーアプリ。情報やレビューが少ないので実際どうかよく分からない。

対応デバイス iPhoneとiPad(別アプリ)
マウス操作 右クリック、タッチジェスチャー、ホイール対応
キーボード 特殊キーはEsc, Alt, Ctrl, Delete, Insert, Home, End, Cursor, F1-12, Windows, Page Up/Down, Option, Cmdキーに対応
リモートコピー 未対応
接続支援ソフト なし

Remote HD (700円) Remote HD

リモコン用のアプリ。デバイスがワイヤレスキーボード&マウスになるイメージ。リモートデスクトップとしては弱い。外部ネットワークから接続できる支援ソフト付き。iPhone/iPadの音量ボタンで接続先マシンの音量を変えられる。海外では評判が良かったが、2010年からアップデートされていない。機能限定のLite版もある。

対応デバイス iPhone/iPad(ユニバーサル)
マウス操作 2フィンガー時差タップで右クリック、3フィンガーでスクロール
キーボード 特殊キーはEsc, Alt, Ctrl, Delete, Cursor, Windows, Option, Cmdキーに対応
リモートコピー 未対応
接続支援ソフト あり

VNC Viewer (850円) VNC Viewer

VNCの元祖RealVNC社によるアプリ。リモートコピペが可能。
iPadのソフトキーボードで特殊キーを入力できる。目立つ特徴は無いが、価格がリーズナブルでオフィシャルな安心感があるためか、評判が良い。ただし、接続設定の支援機能はないので、外部ネットワークから接続したい場合はルータの設定などが必要になる。

対応デバイス iPhone/iPad(ユニバーサル)
マウス操作 2フィンガー時差タップで右クリック、3フィンガーでスクロール
キーボード 特殊キーはEsc, Alt, Ctrl, Delete, Insert, Cursor, Cmdキーに対応
リモートコピー 対応
接続支援ソフト なし

iSSH-SSH/VNC Console (850円) iSSH/VNC Console

VNC機能付きのSSH/Telnetクライアント。サーバー管理がメインで、VNCはたまにしか使わない場合は良いかも。

対応デバイス iPhone/iPad(ユニバーサル)
マウス操作
キーボード 特殊キーはEsc, Tab, Alt, Ctrl, Delete, Cursor, F1-10, Cmdキーに対応
リモートコピー 対応
接続支援ソフト なし

Desktop Connect (1,300円) Desktop Connect

iPad専用アプリ。Windowsのリモートデスクトップ(RDP)とVNCの両方に対応している。同一ネットワーク内ならBonjourやNETBIOSで接続先マシンを自動検出できる。外部ネットワークからでもGoogle認証で楽につなげる支援機能が付属。自宅外や社外からMacとPCに手軽に接続したい場合に良さそう。サポートサイトが充実している。

対応デバイス iPad
マウス操作 タッチパッドモード
キーボード 特殊キーはEsc, Tab, Alt, Ctrl, Delete, Insert, Home, End, Cursor, F1-12, Page Up/Down, Option, Cmdキーに対応
リモートコピー 対応(RDP接続時のみ)
接続支援ソフト 有り。Wake-On-LAN対応

Jump Desktop (1,300円) iTap VNC client 

Windowsのリモートデスクトップ(RDP)とVNCの両方に対応している唯一のユニバーサルアプリ(iPhoneとiPadに同時に対応)。基本機能に加えてホイール操作、iPadの外部モニタ出力やBluetoothキーボードにも対応している。固定IPアドレスが無い場合のための接続設定支援ソフトも付属する。非英語圏キーボードにも対応、とあるがiPad側で入力した日本語が通るかは不明。外部モニタ対応。

対応デバイス iPhone/iPad(ユニバーサル)
マウス操作 2フィンガータップで右クリック
キーボード Esc, Tab, Alt, Ctrl, Delete, Insert, Home, End, Cursor, Windows, F1-12, Page Up/Downキーに対応。外部キーボード対応。
リモートコピー 未対応
接続支援ソフト 有り

iTeleport VNC&RDP (2,200円) iTeleport Jaadu VNC

リモートデスクトップで定評のあるJaaduの後継アプリ。接続先マシンからiPhone/iPadへコピペ可能。完全フルスクリーン表示、自動セットアップなど、機能が充実。接続先のPC/Mac/Linuxマシンに接続支援ソフトをインストールしておくと、Googleアカウント認証で自宅外や社外から手軽に接続できる。サポート対応も評判が良い。高いだけある。迷ったらこれにしておけば間違いはなさそう。

対応デバイス iPhone/iPad(ユニバーサル)
マウス操作  
キーボード Esc, Tab, Alt, Ctrl, Delete, Insert, Home, End, Cursor, Windows, F1-12, Page Up/Downキーに対応。外部キーボード対応。
リモートコピー 対応
接続支援ソフト 有り

独自方式

Splashtop 2 - Remote Desktop (600円) Splashtop Remote Desktop

VNCではなく独自の常駐ソフトをインストールするタイプ。サウンド再生にも対応。パフォーマンスが良いため、動画再生も可能。最初の頃は価格破壊でヒットしたが、その後アプリ内課金を導入し、本体価格も値上げされた。

PC2Me+ (850円) PC2Me+

こちらもリモコン的なアプリ。VNCではなく独自の常駐ソフトをインストールする。PC上の動画やサウンドのストリーミング再生や、ファイルの転送も可能。リモートデスクトップとしての機能や完成度は不明。無線LANのみに対応なので注意。

CrazyRemote Pro (850円) LogMeIn Ignition

こちらもPC側に独自常駐ソフトをインストールする韓国の新参アプリ。サウンド再生可能。画面の描画が速いため、動画再生やゲームも可能という宣伝だが、少し不安定。Windows XP, Vista, 7のみに対応。

LogMeIn Ignition (11,500円) LogMeIn Ignition

App以外にもWebブラウザからアクセスできる、管理・設定できる項目が多い、ネットワーク設定は自動なので簡単、日本語ページやサポートが受けられる、とメリットは多い。日本ではBiglobeも代理店として販売している。アプリ以外のWeb版クライアントは無料なので、気軽に試すことができる。接続先のマシンに常駐ソフトをインストールするだけで、ブラウザで遠隔操作できるようになる。以前は3,450円だったが一気に値上げ。年間1,700円の期限付きアプリ内課金を採用したバージョンを主力にしたい様子。

TeamViewer (個人利用は無料)iPhone:TeamViewer, iPad:TeamViewer

PC側に独自常駐ソフトをインストールするタイプ。

結論

VNCが初めての人は、Mocha VNC Liteでまずは体験を。

MacやLinuxにはVNC、WindowsにはRDPで接続したい場合は、RDPとVNCに同時対応しているDesktop Connect (1,300円)やJump Desktop (1,400円)だと同じ操作性になるので戸惑わない。

VNCをヘビーに使うなら、定番のiTeleport (2,200円)が無難か。中途半端なものを選ぶと、物足りなくなって買い直すことになる。

外出先から自宅や会社に接続する場合は、LogMeIn (年間1,700円)が手軽で安心。

2010/7/3 15:47:初版公開

2010/9/26追記:Remoterの値下げとDesktop Connectの値上げを反映。

2010/12/11追記:iTap VNCの値下げを反映。Splashtop Remote DesktopとCrazyRemote Proを追加。

2011/3/16追記:iTap VNCの値上げを反映。全体的に最新データを反映。

2012/3/18追記:全体的に修正。

2012/12/31追記:全体的に最新データを反映。

2013/9/1追記:全体的に最新データを反映。

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「iPhoneとiPad用VNCアプリ16種類まとめ」へのコメント

のってませんが、

dr | 2011年10月03日

TeamViewerが無料で一番いいと思いますが。

Re:のってませんが、

SE | 2011年12月01日

TeamViewer使ってみましたがパフォーマンスや機能は残念なものでした。
それ以外のクオリティは◎あげてもいいくらいなのですがね・・・。

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